ニュース&イベントレポート◆◆  
 

海外講習会報告
■AHANメキシコ活動支援講習会
 平成16年12月3日〜5日
 
 

閉会式での寄付金贈呈式
   左よりフラナンド先生、DR田中御夫妻と治療中の子供さん、本間館長
  ステファニー先生、プラニン合気道ジャーナル編集長、ロシオ先生

AHAN日本館メキシコ(メキシコ合気道武産合気、フラナンド.ロメン先生、ロシオ.アグエラ先生  www.mexicoaikido.com.mx )主催、日本館AHAN本部後援、第2回メキシコ小児癌治療滞在施設支援講習会、ならびにメキシコ女性合気道普及キャンペーン講習会がメキシコシティー市内のモンテレイ工科大学体育館で行なわれました。


フラナンド先生

ロシオ先生

この講習会には特別ゲストとして合気道ジャーナルwww.aikidojournal.com
編集長スタン.プラニン先生をお招きして、合気道史についての講義をしていただきました。


合気道史について講演する
スタン.プラニン編集長

熱心に聴講する参加者達

また女性合気道の発展と社会的理解を向上させる為、米国フロリダ州に道場を持ち、国内は勿論、世界各国で活躍されている、ステファニー.ヤップ先生(合気道サウス.フロリダwww.aikidosouthflorida.com )に特別指導講師をお願いし、そのダイナミックな指導法とレベルの高い技を指導していただきました。
昨年に続き、この講習会が流派団体を超越したAHAN活動である事を多くの合気道家に理解して戴いたためか、今回は参加者の所属道場が14道場を数えました。


ヤップ先生

本間館長

ステファニー.ヤップ先生と交代で指導をされた本間館長は「今回の講習会では一つ投げた石で少なくとも5羽の鳥が落ちます。一つは勿論、合気道技術の勉強。2つはプラニン氏による合気道史の勉強。3つは必要としている方々に支援が出来る事。4つは流派所属に拘らず「社会貢献」という共通の目的で交流ができる事。5つは合気道の社会的信用を高める事です。会場であるモンテレイ工科大学で行うに相応しい、レベルの高い講習会と思います。
光栄にもプラニン先生がこの会の講演のため出席下さいました。プラニン先生は1965年の夏、メキシコの大学でスペイン語の勉強のため40時間バスに揺られて初訪問、そのあと兵役に就き1970年に再訪して以来35年ぶりの訪問です。
ヤップ先生は日本館の生徒の間でも人気の高い先生で、実は私もその一人でした。溶けたキャラメルのような動きの多くなった合気道指導者の中で、長いあいだ岩間合気道内弟子として修行されたダイナミックな動きと溢れんばかりのエネルギーは、皆さんを新しい境地に引き込んでくれることでしょう。
この講習会はチャリティー講習会です。参加の皆様一人一人の講習費が更に有意義なお金となって必要としている方々に廻っていきます。AHAN活動の主旨をご理解いただき本当に有難うございました。最後となりましたが、フラナンド先生、奥さんのロシオ先生、ホセ氏、ウイマー氏、その他現地道場の方々のいつも変わらぬ貢献を感謝します」と話されました。

講習会の閉会式にはメキシコ小児癌治療滞在施設「カサーデラアミスタド」www.casadelaamistad.org.mx から創設者のDr.田中国武、毎日施設の御世話をされている奥様の田中洋子女史、そして2人の子供が訪れ、会の純益、2000ドルとAHAN日本館本部より1000ドルが手渡されました。尚プラニン氏、ヤップ先生、本間館長の飛行機代はAHAN日本館本部が負担し、指導、講演などの謝礼は先生方のご好意でこの会に寄付されました。有難う御座いました。日本館からの同行の方々、ご苦労様でした。
吉村 記



海外AHAN活動報告

中央アメリカAHAN日本館設立相次ぐ
AHAN日本館ニカラグア開設
 平成16年12月8日〜11日
 


ニカラグア合気道の母スーザン.ケニー先生、稽古前に正面に花を飾る。
スーザン先生に関してはこちらをご覧下さい。

この年二度目のニカラグアの首都マナグアを指導訪問した本間館長はUNAUとUCAの2箇所の大学で4間の指導をしました。この指導訪問には私フラナンド.ロメン(AHAN日本館メキシコ、メキシコ合気道武産合気)も合流し現地の合気道家と交流を深めました。


UCAの道場で

UNAUの仲間達

現在のニカラグアの合気道の稽古条件は必ずしも良好とは言えません。今回も稽古場所が確保できず、コンクリートの野外バスケットコートで稽古するという事も有りましたが、いつもの事らしく気にする素振りも無く熱心に稽古していました。
本間館長は「私の道場も昔は外でよくやった」といってコンクリートの上で館長得意の「立ち固め」の技を指導してくれました。


外での着替えも慣れたもの

コンクリート上での熱心な稽古


級のテストも外で

開祖への思いは強い

今後のニカラグア合気道の発展支援の為、AHAN日本館ニカラグアは、ニカラグアに於ける積極的な合気道の普及とAHAN活動に取り組むためには指導者養成が急務と考え、今後随時、AHAN日本館メキシコ,AHAN日本館本部にて研修生を受け入れることになっています。尚、AHAN日本館本部での研修生は渡航費用、滞在費等は本部で奨学金として負担することになっております。
今回、UCAで稽古するノーマン.チャバリア君が始めての奨学生として日本館本部にて内弟子修行をする事になっています。また法律大学に通うアルマンド.ロペス君をAHAN日本館ゲストとして米国研修に迎える準備も始まりました。アルマンド君は03年夏、癌による足の切断手術をうけ、その後合気道にチャレンジした18歳の若者です。本間館長の「夢は?」の質問に「生き抜くこと、合気道の稽古はその証。多くの人に助けられたので、自分も将来は人を助ける仕事をしたい」と答え、本間館長の胸を打ち、「その為には、色んな体験をし、視野を広げなければならない。希望するならアメリカ研修訪問をプレゼントしたい」と即断したものです。


稽古をするアルマンド君

稽古着をプレゼントされ本間館長と


ケニー先生宅でのパーティー

伝統料理が振舞われる。

 現在AHAN活動が中央アメリカ諸国全体に展開しつつあり、本年度中には「AHAN日本館中央アメリカ」として活動していく事になります。また独自の経済基盤を持つことが大切であるとの認識から、UCA内に学生用のレストランスペースを確保し、運営する企画もされております。
フラナンド 記



モンゴルに寄贈コンピューター30台届く
 平成16年12月16日
 


届けられたコンピューターを前に、希望学校にて

昨年11月、AHAN日本館モンゴルに送ったコンピューター30台は無事モンゴル.ウランバートルに到着し、私とモンゴル合気道日本館指導員のボルドさんAHAN日本館モンゴルのスタッフ、インクさんが荷受団体であるゾルグ財団より受け取りました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

コンピューターはゾルグ財団を通して学校や施設に寄付される12台、日本館が支援している「希望学校」に5台の寄付など、必要とされる施設等に分配されました。希望学校からは贈られたコンピューターと子供達の写真が届いています。またゾルグ財団からも感謝状が届いております。
この後合計70台がコンテナーの開きスペースを利用して輸送され、各施設等に贈られます。
尚、このプロジェクトはブラジル、ニカラグアにも展開されています。




ゾルグ財団にて荷解きをするAHAN日本館モンゴリアスタッフ

AHAN日本館モンゴル
世話人 アリマ記



AHAN日本館ブラジル、OSCIPを認可される
 平成16年12月14日
 

積極的な活動を展開している、AHAN日本館ブラジル(リックリオ二先生、AHAN日本館ブラジル世話人)はこのたび数多くの社会貢献が認められ、非営利団体では最高レベルのOSCIP(オーガゼネイション.ソーシャル.パブリック.インタラスト)に認可されました。この認可は人道、教育、環境団体として政府が認めた団体に対して与えられるものです。この認可によって民間寄付のみならず、政府援助金を受ける事ができます。これによって社会貢献に限らず、ブラジルと他の国々との文化交流など幅広い活動が可能となりました。


認定証

OSCPI認可記念として04年米国デンバーで公演して大成功を納めた日本の太鼓グループ「響岳太鼓」一行のリオデジャネイロ公演を05年の秋に企画しています。響岳太鼓に関してはこちらをご覧下さい。

AHAN日本館の活動に於ける「合気道」は、その活動の主体をなすものではなく、人道、人権、教育、環境、文化交流など、多方面に広がります。
合気道の社会性の探求より発したこの活動はすでに「合気道」の枠を超えております。体育文化交流の一つとして今後は他の武道の紹介も企画されて行く事でしょう。ブラジルにおけるAHAN活動については、このホームページ、ニュース&エベントレポート内に多数掲載してあります。
本間  記


国内AHAN活動報告

モンゴル、ツァム祭典仮面展
 平成16年12月2日〜28日
 


モンゴルラマ僧も迎えてのオープニングにて

モンゴルウランバートル市内にあるチョイジンラマ寺はチベット仏教のツァム祭を行う寺院で、現在も国宝級の祭典用マスクが博物館に保存展示されております。スターリン政権下の共産主義時代に途絶えていた祭りは93年に復活しました。
デンバーモンゴル文化保存協会の会員である、ツォゴ.ミジドさんがそのマスクのレプリカの制作にあたり、その作品展が日本館民俗資料館で開かれました。またデンバー在住モンゴル人有志による仮面舞踏も再現され、日本館の05年1月2日の新年会でも紹介されました。
AHAN日本館はモンゴルの伝統文化の保存継承をあらゆる面から支援しています。



継続支援15年
 平成3年2月16日〜平成17年1月16日
 


デンバー.レスキュー.ミッション
100年をこえる人道の館

AHAN日本館が行っている「ホームレス食事提供サービス」は1991年より15年目を数え、3万8088食をサービスしました。この活動は15年前、道場運営も安定した頃「社会によって支えられたから何か社会貢献をしたい」と本間館長が休日に門下生に内緒で始めたもので、15年後の現在では、毎月第3日曜日の日本館門下生恒例の活動となりました。
04年最後の活動も12月19日に行われ、また05年最初の活動も1月16日に行われました。日曜の朝稽古終了の午前9時45分より日本館内で門下生有志によって下拵え、午後3時にはデンバーレスキューミッションへ入り調理をし、5時と8時の2回で250人から350人の方々に食事を提供しています。
都合の付く日本館門下生、その家族などが時間になると集合し、其々の手馴れた仕事をこなし、オヤスミといって帰宅します。この奉仕を数年以上続けている方がほとんどで、生活の一部のようになっているためか「奉仕をしている」などの意識は感じられません。
大切な日曜のひとときをこの活動に提供して下さった、多くの皆様に感謝すると同時に、私共にこういった機会を与えてくれたホームレスと呼ばれる仲間達にも感謝いたします。


04年最後のサービススタッフ

手際の良い配膳風景

ミッションの教育課程修了者、チャールズ.デイビスさん(49歳)から感謝の言葉を戴いています。「私は1991年フロリダで車に同乗していて事故にあい、2年間の寝たきり生活のあと長い間のリハビリ生活、やっと車椅子で外に出れるようになったけど人生に嫌気がさし、放浪の生活となりました。
4年前、デンバーレスキューミッションに収容されました。ここで28ヶ月間の再生プログラムを受け卒業する事が出来ました。仕事を見つけ、自分のアパートで独立生活を楽しんでいます。ミッションを卒業し免許があれば車をもらえます。また1年間は領収書さえあればミッションが払ってくれます。
私はいま、週に2−3回新しい入所者のためにミッションにやってきます。パイプラインプログラムと言います。"しゃ婆とのつなぎ役"でしょうか。私は多くの人に支えられ助けられました。私のこの不自由な体ながらも立ち直った姿を見せるだけでも良いお返しになると思っています。もう卒業したのですが、毎月第3週の日曜日はAHAN日本館の食事の日なので今でもやってきます。皆さん家族の様になって私達の世話をしてくれている事にいつも感謝しています。
皆様に神の祝福のあることを。        


チャールズさん(中央車椅子)と

開設102年、デンバー.レスキューミッションをお知りになりたい方は
https://www.denverrescuemission.org/ をご覧下さい。


日本館道場活動報告

丸山修道先生一日講習会
 平成16年11月10日
 

日本館道場にて

米国に於ける合気会合気道の草分けの一人、現、光気会合気道創設者、丸山修道先生がお弟子さん7名とデンバー日本館を訪問し、一日講習会を指導してくれました。講習会には平日でありながら80人余りの日本館門下生が参加、丸山先生のユニークな指導方に感動しながら、熱心な稽古をしました。
丸山先生は本間館長が合気道を始めるきっかけとなった方で、そのことに関しては以前、「沈黙のパイオニア」で紹介しています。

日本館は合気道の歴史と将来の流れを知るうえで、植芝合気道に縁のある高名な指導者を積極的にお招きして指導を受けております。この事に関して本間館長は「ピカソの絵を知ろうとする時、死を迎え、筆を置いた時だけがピカソではない。その人生において描き上げた絵画すべてがピカソである。合気道を知ろうとした時、振り返って見ることに何の罪悪を感じる必要があるだろうか。日本国の安泰と将来の平安な発展を望むとき、過去の歴史を顧みてなぜ悪いだろうか」と明確に答えています。
丸山先生に関して「冷酒と恩師の教えは」というコラムを本間館長が書いています。
丸山先生、御弟子さんの方々、ご苦労様でした。
エミリー 記



子供クラス昇級発表会
 平成16年12月17日
 


道場は家族であふれる。

子供クラスの生徒にとって楽しみな事、それは昇級です。他の道場では昇級試験は大きな収入源であり、頻繁に行われるようですが、日本館子供クラスでは行なっていません。日本館の子供クラスは「できるだけ保護者に経済的負担をかけない」という考え方が基本にあります。しかし日本館としても道場運営の為にはお金が必要であり、日本館独自の考え方でクラスを運営しています。
日本館には、どうやって生徒を維持し高収益を得るかを売り物とする武道経営雑誌が毎月数冊送られてきます。その中で最も収入増へのアドバイスはステップが細かく分けられた「昇給テスト」や「トーナメント参加」(合気道は試合が有りませんから関係ありませんが)です。しかし日本館は全く反対のやり方、「昇級テストもせず、なるべく保護者の負担も軽くする」という事で成功をおさめているのです。入会金は無く、月謝も25ドル、テスト料もいりません。昇級は指導者が記録する個々の稽古録をもとに他のアシスタントと検討して決めます。稽古着などの用品も強制しません。「もしかして合気道を好きになってくれないかもしれませんし」といって購入を暫く待たせる程です。
契約で縛られたり月謝以外の諸々の経費を求められ、月100〜150ドルを支払い、最終的には辞めてしまい、残ったのは契約の支払いだけと言う、苦い経験の保護者が実に多いのです。合気道子供クラスを成功させる一つのアイデアは、この苦い経験の保護者に対し、安心して子供を任せることの出来る環境を作ることです。安心してくれた保護者はどんな広告メディアよりパワーのある道場のサポーターとなってくれ、大きな家族のようになって更なる入門者も増え、良い方向へと進むのです。


素晴らしい子供達と私

本年の昇級発表会,保護者も集まって賑やかに行われました。
子供クラスチーフ指導員
トム.デメン 記


平成16年度 感謝状受理

 

平成16年1月4日 デンバーレスキューミッションより
3万5000食の食事サービスに対して
平成16年2月26日 モンゴル馬頭琴保存協会より
馬頭琴の普及に対して
平成16年4月9日 デンバー市長ジョン.ヒッケンルーパー氏より
市民公聴会に対する寄付に対して
平成16年4月29日 モンゴル国、合気道協会より
モンゴル合気道への道場改築費用の寄付に対して  
平成16年5月19日 モンゴル国希望学校より
馬頭琴10帳、文房具の寄贈に対して
平成16年6月8日 ミノル.安井財団
社会貢献、文化交流貢献に対して     
平成16年7月18日 モンゴル大統領より
在デンバーモンゴル文化普及、及びモンゴルの人道活動に対して
平成16年7月25日 在米モンゴル大使館大使ボルド.ラプタン氏より
モンゴル大統領一行日本館訪問に対して
平成16年9月5日 デンバー日本語補習学校より
在デンバー日本人子弟に対する日本文化紹介の企画に対して
平成16年9月15日 松川響岳太鼓より
米国公演の企画、プロモーション
平成16年12月4日 デンバー市公園管理局より
デンバー市管理の公園施設等への労働奉仕に対して
平成16年12月5日 平成16年12月5日 メキシコ国 カサーデラーアミスタドより
小児癌治療滞在施設への寄付に対して
平成16年12月28日 モンゴル国ゾルグ財団より
新中古コンピューター30台の寄贈に対して


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