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■岩間神信合気修練会発足式にて
 平成16年2月19日
 
 

斉藤仁弘先生、野に発つ
中央 仁弘塾長、向かって右、養神館 井之上館長、左 筆者

2月21日、茨城県岩間町において、斎藤仁弘先生率いる新合気道探究団体「岩間神信合気修練会」の発足式がありました。この会を率いる斎藤仁弘先生は合気道開祖、植芝盛平翁修行成就の地、修行時代より、岩間合気神社及び付属合気道場に56年間修行、奉職された故合気道師範斎藤守弘9段のご子息で、守弘師範御他界の後、岩間道場長代行に就任しましたが、独自の武道探究の心抑えがたく、あえて野に飛び出してこの会の発足となりました。
発足式は合気神社から歩いて数分の鍛錬館道場で演武の後、友部町のホテルに於いて350人あまりが出席しての発足祝賀会があり、多くの来賓者の祝福激励が飛び交い盛大な会となりました。来賓者には養神館井上強意一館長など合気道界の出席者も多く、「静かなる開拓者」と呼ばれる、米国合気道界開拓者の一人、光気会丸山修道会長も出席されました。


和気藹々の養神館井上館長、光気会丸山会長、後方 筆者

私、本間もこの会に出席させていただき、乾杯の音頭と云う大任の光栄を賜りました。この発足式に参加させて頂いて感じた事を文章にまとめてみました。どうぞ御一読下さい。 本間 記
コラム「野に立つ」



本間館長 モンゴル訪問
 平成16年2月23〜27日
 

本間館長 凍てつくガンダン寺にて
私はアリマと申します。米国の日本館でボランティア活動の勉強とAHANモンゴルプロジェクトのコーデネーター、通訳として本間館長のモンゴル語でのコミュニケーションのお手伝いを1年間しました。その後モンゴルに帰国、AHANモンゴルプロジェクトの現地コーデネーターをしています。今回の本間館長のモンゴル訪問をレポートしました。

●日本館AHAN(合気道人道援助行動ネットワーク)新プロジェクト始まる

これまで3年間日本館AHAN活動の一環としてサポートしていたモンゴル国内の孤児救済施設はモンゴル政府や日本を中心とした海外援助が行き渡るようになり、日本館では新しい援助対象として、これらの援助団体の手の及ばない施設団体にその活動を移すことになりました。その為本間館長がモンゴルを訪問、私塾「希望学校」を日本館モンゴルプロジェクトの新援助救済団体としました。


1〜3年の子供達と

この団体はドイツNGOの貧困支援、子供救済団体が「子供能力開発センター」としてオープン。その活動を日本留学のモンゴル人学生から知らされた沼津市のNPO団体が「貧困ゆえに学校に行けないのでは、貧困からの脱出は出来ない、そのためにこそ教育が必要」と2万7千jあまりを寄付、昨年9月に開校。読み書き計算を教え始めましたが、この学校も維持費の捻出が頭痛の種。学校と言っても私塾の為、政府の援助は受けられず、教科書も配布になりません。70人の子供達の1カ月の予算は450ドルから500ドル。アメリカの中流家庭の子供一人の幼稚園費用程度で賄っているのです。


学校は粗末なこの塀の中

希望学校の前で
アザヤ先生,ゾリグ財団ガンソク氏 本間館長

本間館長は実情を充分調査したほか、援助が欲している人に正しく行き渡っているかを監視するゾルグ財団からの助言も検討した上、今後3年間を一区切りとして援助をする事を決断しました。さしあたり学校予算の増加、情操教育の一環としての伝統音楽教育、将来必要に迫られるコンピューター教育、を援助目的に翌日には具体的な行動としてモンゴル伝統楽器、馬頭琴10台などの楽器を購入寄付、モンゴル馬頭琴普及協会の協力を得て指導される事になったほか、6月までには新中古コンピューター3台が米国日本館より贈られる事になりました。今後10台を目標に日本館メンバーを中心としたドーネーション活動をしております。
尚、電話回線の工事も必要であり、現地日本館AHANスタッフが準備中です。学校予算は月額500ドルの増加援助をする事になっています。
学校を訪問した本間館長は、殆ど沈黙したまま先生たちの話を聞き、「家が貧しくて、着るものがなくて、弁当を持っていけなくて、学校に行けないばかりか、最終的にはホームレスキッド。もう貧しさのどん底の子供達だけど、ひとつだけ沢山持っている物がありますね。それは作り笑顔ではない本当の笑顔です。この笑顔を守りたいですね。ランチが番茶一杯とビスケット2個、ソレが食べられるから学校に来る。それでも来られない子もいるのでしょう」と話し、子供達に持参した文房具を手渡しました。


素直な笑顔が私達の心を動かす

●モンゴル合気道協会訪問指導
モンゴル合気道協会の道場はアパート地下の間借り道場から、昨年専用道場に移転、本間館長にとってこの道場は初めての訪問となりました。新道場はこれまでの青年海外協力隊の方々の寄付や門下生の寄付でガンダン寺近くに空き家を購入、専用道場としたものです。現在は前川哲平海外協力隊員が指導しております。彼は3月に2年間の任期を終え日本に帰国します。


モンゴル指導者たちと
向かって左からアッタンバクナ氏、ラオークスルン氏、本間館長、
日本館内弟子卒ボルド君、前川哲平海外青年協力隊員(合気道)

モンゴル合気道協会はラオークスルン氏がモンゴルがまだロシアの下、民主化が及ばなかった頃の1992年以前にモスクワで合気道と出会ったのに始まります。当時モンゴルでは国外の武道修行は禁止されておりビデオを見たりロシア語の合気道関係書をモンゴル語に訳して柔道の稽古の合間に独自に稽古を始めました。その後1993年、モンゴル民主化後、生徒を集め稽古を始め、グランデンブルグ氏の協力で国の認可を得てモンゴル合気道協会が発足しました。
現在の道場に落ち着くまで4度移転し、海外青年協力隊員も93年以来3名がこれまで派遣されています。尚、現在活躍中の前川隊員を最後に派遣は終了し、今後はアッタンバクナ氏など現地門下生によって指導される事になっております。
本間館長は慰労会の席で「日本館では、今後も自立後のモンゴル合気道発展を暖かく応援して行きたいと思っています。私にはモンゴル合気道協会に接触して日本館の傘下にしようなどと言う考えは全くありません。私は開祖の弟子として合気道の普及を願っているのみです。米国の私の道場で内弟子を終え本部の段位をもった若い方も帰国していますが、常に先駆者を尊敬し、支持を仰いで、モンゴル合気道全体の為になるように協力しなさい、と言っています。今後とも一合気道人として協力して行きたいと思います」と挨拶され、道場の補修や脱衣場増築の為として日本館AHANプロジェクトより千ドルを寄付しました。
本間館長の指導はモンゴル日本センターにおいても行われました。門下生の中にはアルファベットの外国人名の入った稽古着を着けている人も見かけられましたがこれは過去2回の日本館一行の訪問の折、AHAN稽古着リサイクルで全米から集まった中古稽古着の中の50セットが再利用されている為です。今後とも中古稽古着リサイクルへの協力をお願いします。


稽古中の本間館長

黙々と掃除に励む


稽古仲間達

モンゴル日本センター


門下生には民族衣装の方も

●モンゴル極真空手会館表敬訪問

モンゴル極真空手指導者たちと内弟子
中央本間館長隣りスーツ姿、チンゾルグ先生

本間館長は、モンゴル武道界の草分けであり、モンゴル最大の警備会社を経営する、極真空手のチンゾルグ先生を表敬訪問しました。元警察官の先生は、83年頃からサンボの練習の合間に空手に興味を持ち、独自で稽古を始め(民主化前のロシア傘下では武道は公には稽古できなかった)民主化後の1993年から同志を集め現在の道場を築きました。96年頃外人要人のボデーガードを政府に依頼され、それがきっかけとなり98年には警備会社を設立、門下生の多くがこの会社に勤めています。すでに一般人は勿論、軍隊、警察など3万人の指導をしました。
訪問はわざわざ先生ご自身がホテルに迎えに来てくれ、会社兼道場で和やかな武道談義を語り合いました。対談は後日ご報告します。

●モンゴル馬頭琴協会、本間館長に感謝状

 ウランバートル市内、ナイリンバル公園内にある国立伝統芸能劇場はモンゴルの伝統音楽、ダンス、宗教舞踊などを公演しています。ここで演技をする人々は公務員待遇でその技術を保護されています。
モンゴル民主化と供に、若い人々は伝統音楽、芸能から離れる傾向にあり、モンゴル馬頭琴協会はモンゴルの伝統芸能、及びそれに付随する、楽器、衣装などを保存、伝承しようと発足した団体です。
馬頭琴協会より公演に招待された本間館長は、劇場内に移転保存されている伝統家屋のゲルに案内されモンゴル式の接待を受けました。このゲルは過去5年間でも、ヒラリー・クリントン前米国大統領夫人、宗教指導者ダライ・ラマ師などが寛いだ、由緒あるゲルで知られています。


歓迎の乾杯を受ける

感謝状を受ける本間館長

本間館長は米国内でモンゴル伝統音楽の保護に積極的に後援し、コンサートやクラスなどを開いています。昨年はモンゴルからハンホール(馬頭琴制作王)の称号を持つウランバヤ氏を米国に招聘し米国内では初の馬頭琴制作、其の作品10張は現在デンバー在住モンゴル人の練習用に使われています。また今回の訪問でも、子供達の伝統音楽伝承の為、教材用として10張の馬頭琴を、馬頭琴協会を通して「希望学校」に寄付しました。
尚、ウランバヤ氏の馬頭琴はモンゴル国会議事堂に飾られているほか、イギリスのエリザベス女王にも献上されています。
本間館長にはこの席で、伝統芸能保護の功績を認められ感謝状が贈られました。

以上、多忙スケジュールの本間館長のモンゴル訪問記でした。館長は前日深夜の到着なのに、早朝、私達モンゴル人も大切にしているガンダン寺にお参りし、デンバー在住モンゴル友人たちの代参をしました。私は「モンゴルは今一番寒い時なので少し後にしたら」と勧めましたが「だから行く」と云って来られました。モンゴルは新年であり、それぞれの家を相互に訪問する習慣があり、知り合いの多い館長も大変だったと思います。 日本館モンゴルAHAN  アリマ記

記)アリマさん――日本語通訳、及びビジネスコーデネイター。モンゴルの大学で日本語を専攻、日本に2年間留学後、日本の政府、民間のモンゴル事業関係者や旅行者の通訳業務をする。2002年に渡米、日本館でAHAN活動に付いて研修、モンゴルに帰国後次の仕事を専業としています。
■業務
 日本語モンゴル語通訳
 観光、事業所等の案内   
 事業コーデネイト
 調査、レポート
 取材アレンジ、移動手配 
 要人面会手配
 要人警護手配
 カルチャルイベント
 発送、輸入手配手続き
■連絡方法
 E-MAIL alimansar_n@yahoo.com
 携帯 モンゴル976-11-99194387


 アリマさんとガンダン寺にて



日本館春期テクニカルクラス始まる
 平成16年2月24日〜3月23日
 

ジャーミー・オリーブ先生と
奥さんのトレーシーさん

オリーブ先生の気迫あるクラス

日本館指導員、ジャーミー・オリーブ先生指導担当のこのクラスは、本間館長の海外指導中の留守となる稽古時間に開かれ、日本館独自の指導法、技の研鑽をするものです。
オリーブ先生は大学入学と同時に日本館入門、その間、秋田県東成瀬村の招聘で妻のトレーシーさんと六ヶ月間の在村。合気道は秋田県支部、故河辺茂師範(元合気会秋田県支部長、7段)の道場で修業、帰米後は日本館の指導部のリーダーとして後進の指導の傍ら、長年の目的であった警察官になる為に、警察学校に入学。優秀な成績と其の実直な性格を認められて、即座に採用され(米国の殆どでは警察学校卒業が自動的に採用とはなりません)、本人いわく「白帯警察官」としての新しい人生にチャレンジしています。二歳の子供の父親でもあり、多忙な日々をさいての指導に門下生一同感謝しております。このクラスは多くの生徒の集まる「評判」のクラスです。


初心者にやさしく

真剣な稽古



■合気会7段故河辺茂師範の命日法要 

 平成16年2月28日
 
元秋田県支部長で合気修練道場主であった河辺師範が亡くなって1年の28日、道場近くのお寺で法要が執り行われました。私はモンゴル訪問後、日本に立ち寄りこの法要に参列させていただき、師範の生前のご功績を偲ばせて戴きました。現在、道場は未亡人が道場主ですが、長男竜作氏が道場を引き継ぎ、指導を始めており、亡き河辺師範もお喜びになっている事でしょう。故河辺師範と日本館の縁は深く、デンバーへも4度訪問されています。その関係から本年5月、ご子息、竜作氏を、日本館講習会の為訪問される藤田昌武本部師範のお供に加えていただき、日本館にご招待する事になりました。  本間 記            



■コロラド日本人武道師範会 

 平成16年3月6日
 

向かって左から、井垣、本間、黒羽根、矢口、大高、二宮先生

恒例となった師範会が開かれました。本来この会は新年会として始まったのですが、それぞれスケジュールが調整できず、ひな祭りの会となりました。会場は日本館内のDOMOレストランで本間館長自身が調理をしました。
集まった先生方を年代順に紹介すれば、JKA松涛館空手の矢口豊先生、和道流空手の黒羽根貞治先生、柔道の大高修一先生、日本館合気道の本間学先生、円心空手の二宮城光先生、合衆国空手連盟(USANKF米国政府公認のナショナルチーム)の井垣秀春先生、の6名です。
宴は長老、矢口師範の懐かしい話から始まり、唱が飛び出す4時間に及ぶ親睦の宴となりました。矢口師範は来年、海外に出て50年になるとの事、現在72歳の現役師範の益々のご健康ご活躍をいのって一同乾杯しました。尚、本間館長は矢口師範の長い間のご苦労を記録する為、現在記録中です。    依田 記


■激戦 空手対合気道

 平成16年3月14日
 

9年目となった二宮城光館長率いる円心空手道と本間館長率いる日本館合気道の大トーナメントが130人余りの参加者で行われました。今年は日本館に軍配が上がりこれで通算成績は円心3勝、日本館6勝となりました。連敗となった円心空手の内弟子は恒例によって10ガロンの氷水を浴びせられました。
激戦の模様はこちらをクリックして下さい。



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