合気会 合気道本部道場師範、藤田昌武8段が日本館視察のため訪問しました。この訪問は合気会秋田県支部元支部長で本年2月に御逝去された故河辺茂師範の生前からの御意志によって実現したものです。
デンバー国際空港に到着された藤田師範は迎えに用意した1960年製のキャデラックでダウンタウンのホテルへ。僅か1週間前に50日間余りの東欧諸国訪問指導を終えたばかりでしたがお疲れも見せず積極的に日程をこなされました。とくに日本館の社会奉仕活動には大変な興味を示され、この訪問と日程の重なった日本館の「ホームレス食事サービス」では朝からの作業に参加、また午後8時からのサービスでは350人余りのホームレスの方々のために配膳から残飯の処理まで日本館の仲間と行動を供にされました。
また日本館に短期滞在稽古中のメキシコ、アルゼンチン、ブラジル、モンゴル、ニカラグアの合気道家たちとも気軽に交流をされ、各国の合気道界の現状や要望等に耳を傾けられました。藤田師範は常に本部や道主の立場に立った説得力のある回答をされ「本部道場師範」としての範を示されました。
今回は指導が主目的ではなかったため「講習会」としての企画はしませんでしたが一般稽古日の二夜にわたって計8時間のクラスが開かれ、日本館門下生に加え他道場の合気道家など120名余りが集まりました。藤田師範の基本に忠実な「本部直通の合気道」をご指導いただき参加者にとって大変有意義なクラスとなりました。
またこのクラスでは日本館上半期の初段から3段までの合気会昇段者28名、新合気会入会者35名が発表され藤田師範より免状が授与されました。
藤田師範は現在、さまざまな理由で経済の足並みが遅れている東欧、南米などの合気道家に積極的に指導行脚をされており、日本館のAHANプロジェクトの主旨に合い通じるものがあります。また、藤田師範が合気会本部師範として開祖植芝翁、吉祥丸道主、そして守央現道主にお使いした長い経歴、とくに30年以上勤めた本部事務局職(部長職で定年、現在事務局顧問)での蓄積されたご経験からの助言は将来の日本館にとって貴重なものであり、今後とも機会をつくりご指導を賜る事をお願いし快諾をいただきました。
藤田師範と本間館長の出会いは1967年春頃、岩間から開祖のお供で本部に行ったときにお世話になったという古い関係にあります。
藤田師範は数日間のコロラドロッキー観光を楽しまれ1週間の日程を終え帰国されました。日本館を訪問戴きました事、門下生一同深く感謝申し上げます。
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